ピッカピカで新車かと思うほどの極上車。札幌から来られたようですが、16年前の自分を思い出しました。
旧車不毛の土地札幌でも古いクルマを維持できる環境が整いつつあるようです。
さて、ベースとなった DAUPHINE の後継車 R8 はどのようなクルマだったのか。
当時も今もフランス人がクルマに求めるのは変わらない…
4人の大人がゆったり乗れ、鋭い加速と100q/h以上の巡航速度を併せ持ち、ソフトな乗り心地を持ち、しかもスポーツカー並みの高速直進安定性を期待する。
そんな要求に対するルノーからの回答が R8 だ。
直線を基調としたデザインは DAUPHINE よりも広く、大人4人が快適に座ることができる。スィングアクスルを前方からラディアスアームで吊るようにした結果、RRとしては PORSCHE 356 に匹敵する操縦安定性を持ち、4気筒OHV、956cc、48ps/5200rpmを発生するエンジンにはクラスを超えた5ベアリングを採用、ブレーキにはクラス初の4輪ディスクを奢り、フランス人特有のフル加速、急ブレーキを繰り返す運転に対応したのだ。
GORDINI は、この優れた素材の R8 を次のように料理した。
ヘッドにはクロスフロー・タイプを装着。バルブ径を極限まで拡大するために副燃焼室を設け、圧縮比は8.5から10.4へと格段に高め、キャブは同じソレックスながらツインチョークのC40PHHが2基装着されていたのだ。
このような大改造を施し、1965年に発売された GORDINI は、95ps/6500rpmとほぼ2倍のパワーを誇った。2年後、1967年のパリサロンでは、R8 GORDINI 1300 が発表された。外観はヘッドライトの内側に1対のドライビング・ライトを増設。
エンジン排気量は1255ccにアップ。圧縮比は10.5まで上げ、2基のウェーバー40DCOEにより103ps/6450rpmを発生。4速のミッションは5速に改められ、最高速度は175q/hにも達した。リア・ヘビーの重量配分を改良するために、リアだけではなくフロントにも燃料タンクを増設している。
R8 GORDINI はラリーやルノー主催のワンメイクレース、ゴルディーニ・カップなどで活躍。1970年まで生産された。
余談だが、ルノーは2代目 CLIO の末期に GORDINI バージョンを復活させている。社内ではフィアットによる ABARTH の成功を睨み、プレミアム・ブランドとしての GORDINI 復活を計画していると云われている。


